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故淺沼信夫氏

「ダメだということが悪いことではない。ダメだということがわからないことが一番悪いことだ。ダメだということがわかれば、次の選択肢に進める」


プラグマティズムとは、グローバル化や多様性が進む現代社会において、自分の価値観や既存の価値観を絶対とはせずに、修正を加えながら前進する考え方だといわれています。


故淺沼信夫氏は、典型的なプラグマティストでした。


少子高齢化による人口減少に加え、漁獲量の減少、魚価の低迷により、全国でも有数の水産県を代表する長崎漁港周辺地域も衰退の一途を辿っていました。


長崎市の三重地区で小さな水産物卸売会社を経営していた淺沼氏は、地域経済の活性化のため、当時新三重漁協組合長だった故柏木哲氏や地域の水産関係団体と協力して、開港以来20年以上遊休状態にあった県有地を借り受け、2013(平成25)年3月、その地に県内最大級の水産物直売所を開業させました。


開業後すぐ、当該直売所は県による営業妨害を受けます。県が、売場で売る商品について細かく規制してきたのです。原因は、当該直売所の売場で売っている商品の一部が、近隣にある既存スーパーの主要商品と競合するからでした。


絶好調だった当該直売所の業績は短期間で悪化し、経営破綻による約150人にも及ぶ雇用喪失が危ぶまれ、この問題は県議会・県政改革特別委員会において集中審議されることとなりました。審議の中で、当時の県職幹部が、当該直売所の近隣にある既存スーパーの経営者と、当該直売所で販売する商品について協議していたことが、当時の県議会議員だった山田博司氏の追及により明らかとなりました。


浅沼氏が企画した水産物直売所とスーパーの融合店は、正に新しいビジネスモデルであり、地域経済を活性化させるのに十分な、素晴らしい取り組みでした。しかし、その取り組みは既得権益を守ろうとする経営者と、その経営者と結びついた一部の政治勢力及びその圧力に屈した県職員によって妨害されました。


淺沼氏は、降りかかってくる問題を一つ一つ適切に、且つ迅速に解決し、当該直売所と三重地区の未来を切り拓きました。

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